CHECK
選手自身が痛みや違和感に気づく。
Jones骨折は競技復帰までに長期間を要し、再発にも注意が必要なスポーツ障害です。JSIPAでは、痛みや違和感を早く拾い上げ、身体機能・荷重・環境などのリスクを評価し、予防につなげる実践を進めています。
選手自身が痛みや違和感に気づく。
メディカルスタッフがリスクを評価する。
身体機能・動作・負荷を修正する。
Jones骨折予防は、発生頻度の把握、リスク因子の解明、予防介入、効果判定というスポーツ傷害予防研究の流れに沿って進めてきました。研究結果を論文で終わらせず、検診・教育・エクササイズへ戻すことがプロジェクトの中心です。
競技・年代・環境ごとの発生状況を把握する。
身体機能、荷重、栄養、シューズ、グラウンドを検証する。
変えられるリスクへ運動・負荷・環境面から介入する。
検診と発生率を追跡し、予防法を更新する。
Jones Fracture Research Groupでは、身体機能、プレー環境、栄養、荷重パターンなど、修正可能なリスク因子を英語論文として検証してきました。
プロサッカー選手を対象に、股関節内旋可動域の制限がJones骨折歴と関連。発症前データを用いた解析でも高いリスクとの関連が示されました。
PubMed →1,854名のサッカー選手を解析。人工芝で総プレー時間の80%以上を過ごす群では、第5中足骨疲労骨折のオッズが高いことを報告しました。
PubMed →血清25-OHD不足と第5中足骨疲労骨折との関連を検討。栄養・骨代謝も予防戦略に含める根拠の一つとなっています。
PubMed →高校年代の高レベルサッカー選手で、股関節内旋制限に加え、single heel raise時の外側荷重(小趾球側パターン)がJones骨折リスクと関連しました。
PubMed →年齢や性別、骨形状など変えられない要因もあります。しかしJones骨折には、スポーツ現場で介入可能な要因が多くあります。予防では「すべてを避ける」のではなく、選手ごとに修正可能なリスクを見つけることを重視します。

股関節可動域、荷重パターン、人工芝、ビタミンD。複数の研究から得られた予防可能なリスク因子を、ひとつのEvidence Mapとして整理しています。

福島・石川で行った大規模検診では、問診・触診・超音波を一次スクリーニングに用い、必要に応じてその場で画像評価へつなげました。症状だけでは拾えない選手を見つけることが、完全骨折予防の入口になります。
中高年代を中心とした選手を対象に大規模スクリーニングを実施。
第5中足骨皮質の膨隆・不整など、要精査所見を確認。
完全骨折に至る前の段階で新規不全骨折を検出。
検出された不全骨折の約7割は明らかな症状を訴えていませんでした。

超音波は一次スクリーニングとして、骨皮質の変化をその場で確認できる利点があります。陽性時は症状・身体所見・X線等を組み合わせて評価します。
Screen first. Confirm when needed.早期変化を見逃さないため、骨皮質の膨隆や途絶を特徴的な超音波所見として整理しています。

骨皮質の膨隆を描出する所見。不全骨折を疑う早期サインとして用います。

膨隆部の骨皮質途絶が鳥のくちばしのように見える所見。進行した不全骨折や完全骨折を疑う手がかりです。
スクリーニングは、選手・トレーナー・医師が同じ言葉でリスクを共有できるよう、シンプルな流れに整理します。
第5中足骨外側部の痛み・違和感、既往、負荷量を確認。
第5中足骨基部の圧痛をチェック。
エコーで皮質の隆起や不整など早期変化を確認。
陽性時は必要に応じてX線等で確認し、負荷と予防介入を設計。
Anti-Jones 11は、Jones骨折予防のために整理した11種のセルフケア・エクササイズです。股関節・足部・筋力・バランス・荷重パターンを横断して、選手自身が毎日取り組める形にまとめています。以下は11種を構成する主な介入目的です。
股関節内旋を含む可動域を整え、外側荷重に偏りにくい動きを作る。
足趾把持、足部内在筋、足関節コントロールを高める。
片脚支持と動的バランスを改善し、接地の安定性を高める。
外側荷重が強い動作を確認し、荷重方向と切り返しを修正する。
急激な負荷増加を避け、トレーニング量・試合出場を管理する。
人工芝・硬いピッチ・シューズなど、環境と用具もリスクとして見直す。
予防は「理論」だけでは成立しません。チームで継続して介入し、身体機能と発生状況を追跡して初めて評価できます。これまでのチーム・大学サッカー部での実装データは、介入可能性を支持しています。
これらの資料は、齋田良知がJones骨折予防活動のために作成したものです。選手、指導者、メディカルスタッフの教育・啓発にご活用いただけます。

ロッカールームなど、選手の目に触れる場所で予防意識を高めるためのポスター。

自己記入、メディカルスタッフ記入、医師記入の3段階で評価できるチェックシート。

チェックで明らかになった問題を、具体的な改善行動につなげるためのポイント。

選手自身がコンディションを確認し、予防行動につなげるための実践資料。
問診・触診・身体機能評価に加え、必要に応じて超音波や画像検査を組み合わせ、早期の変化を見逃さないスクリーニングを行います。






Jones骨折予防は、JSIPA SPRM Research Centerにおける主要研究テーマの一つです。人工芝、股関節可動域、荷重パターン、ビタミンD、検診、超音波スクリーニングなど、現場の課題を研究し、1,000人規模の検診、Anti-Jones 11、チーム介入として再び予防へ還元しています。